診療案内 息切れ
「以前は平気だった階段を今は上るだけで、息が切れてしまう」
「少し動いただけですぐ息が上がって、休憩が必要になる」
「何もしていないのに、時々息苦しさを感じる」
「横になっているほうが息が苦しく感じる」
このような息切れ・息苦しさに悩んでいませんか?
息切れは、加齢や体力低下などで起こることもありますが、心臓・肺・貧血など重大な原因が隠れている場合もあります。「年のせい」と自己判断して見過ごさず、症状の背後にある原因を正しく知ることが大切です。
「少し動いただけですぐ息が上がって、休憩が必要になる」
「何もしていないのに、時々息苦しさを感じる」
「横になっているほうが息が苦しく感じる」
このような息切れ・息苦しさに悩んでいませんか?
息切れは、加齢や体力低下などで起こることもありますが、心臓・肺・貧血など重大な原因が隠れている場合もあります。「年のせい」と自己判断して見過ごさず、症状の背後にある原因を正しく知ることが大切です。
「息切れ(息苦しさ)」とは?
医学的には「呼吸困難」とも呼ばれ、呼吸をする際に不快な努力感、空気が足りない感じ、呼吸が苦しいという主観的な感覚を指します。
体が酸素を必要とする状況に対して、心臓や肺からの酸素供給が追いつかなくなったときに生じるサインです。特に、これまで問題なかった動作(労作)で息切れを感じるようになったら注意すべき変化です。
体が酸素を必要とする状況に対して、心臓や肺からの酸素供給が追いつかなくなったときに生じるサインです。特に、これまで問題なかった動作(労作)で息切れを感じるようになったら注意すべき変化です。
要注意の息切れサイン ― すぐに医療機関へ
以下のような症状がある息切れ・息苦しさは、緊急性が高い可能性があります。至急受診を、または救急搬送を検討してください。
これらは、肺水腫、肺塞栓症、重篤な肺疾患、心不全の急性増悪など、命に関わる状態を示す可能性があります。
- ● 突然強い息苦しさが始まり、安静にしても治まらない
- ● 胸に強い痛み、圧迫感を伴う
- ● 唇や指先が紫色になる(チアノーゼ)
- ● 意識が遠のく、冷や汗をかく
- ● 横になると息苦しくて眠れない
これらは、肺水腫、肺塞栓症、重篤な肺疾患、心不全の急性増悪など、命に関わる状態を示す可能性があります。
息切れ・息苦しさの主な原因
息切れの原因は多岐にわたりますが、大きく「心臓の病気」「肺・呼吸器の病気」「その他の原因」に分類できます。
1. 心臓の病気が原因の息切れ
- ● 心不全:心臓のポンプ機能が低下し、全身へ血液を効率よく送れず、肺に水がたまり(肺うっ血)息苦しくなる。足のむくみ、起坐呼吸(横になると苦しい)、夜間発作性呼吸困難を伴うことも。
- ● 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞):動脈の狭窄・閉塞により心筋への血流が不足し、胸痛ではなく「息切れ」として症状が現れることもある。
- ● 不整脈:脈の乱れで心臓が効率よく血液を送り出せず、呼吸が苦しくなる。動悸を併発しやすい。
- ● 心臓弁膜症:弁の機能異常で血流が滞り、心臓に負担がかかることで息切れを感じることがある。
2. 肺・呼吸器系の原因
- ● COPD(慢性閉塞性肺疾患):特に喫煙歴がある場合に起こりやすく、呼吸機能が徐々に低下。坂道・階段で息切れが出やすくなる。
- ● 気管支喘息:気道が狭くなることにより発作的にゼーゼー音を伴う呼吸困難が出る。
- ● 肺炎・気管支炎:感染による炎症で、咳・痰・発熱を伴いながら息切れを感じる。
- ● 間質性肺疾患など:肺の組織そのものが硬くなることで酸素交換効率が低下する。
3. その他の原因
- ● 貧血:赤血球が減少することで血中酸素運搬能の低下をきたし、全身の臓器に酸素不足が生じることでわずかな負荷で息切れを感じやすくなる。
- ● 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンが増えすぎると、全身の代謝が活発になり、体はたくさんの酸素を必要とするようになります。そのため、安静時でも心拍数が上がり、息切れや動悸を感じやすくなることがあります。
- ● 腎不全:体内に水分が溜まり、心肺に負荷がかかる。
- ● 不安障害・過呼吸:精神的ストレスからくる呼吸の乱れ、過呼吸発作。
当院で行う主な検査
息切れ・息苦しさの原因を見極めるには、以下の検査を組み合わせて診断を進めます。
- ● 問診・身体診察:いつから、どのような場面で、他の症状を伴うかの聴取。呼吸音・心音の聴診。
- ● 血中酸素飽和度:指先クリップ型センサーで酸素濃度を測定。
- ● 心電図(ECG):不整脈・虚血性変化をチェック。
- ● 血液検査:貧血、甲状腺ホルモン、炎症マーカー、心不全マーカー(BNPなど)など。
他院に紹介して行う主な検査
- ● 胸部レントゲン撮影:心臓の大きさ、肺水腫、肺の陰影変化を確認。
- ● 呼吸機能検査(スパイロメトリーなど):肺活量、気道抵抗、呼気量を測定し、COPD・喘息などを評価。
- ● CT検査:肺の高解像度CTや場合により胸部CTで間質性肺疾患・肺血管疾患を評価。
当院での対応
当院では、息切れ・息苦しさを訴える患者さんに対して、丁寧な問診と診察を最初に行い、必要な検査(血中酸素飽和度測定、胸部レントゲン、心エコー、呼吸機能検査、血液検査など)を迅速に実施します。
「年のせい」「体力の限界」と自己判断せず、息切れが気になる場合は早めにご相談ください。
「年のせい」「体力の限界」と自己判断せず、息切れが気になる場合は早めにご相談ください。