診療案内 動悸
「ふとした瞬間に、心臓がドキドキと速く打つ」
「脈が飛んだり、リズムが乱れる感じがして不安になる」
「安静にしていても、胸の鼓動が気になることがある」
このような動悸に悩まされていませんか? 動悸は多くの人に起こりうる身近な不快症状ですが、中には放置できない病気のサインが隠れていることもあります。動悸の原因・危険サイン・検査・受診タイミングを理解して、自分に合った対処を知っておきましょう。
「脈が飛んだり、リズムが乱れる感じがして不安になる」
「安静にしていても、胸の鼓動が気になることがある」
このような動悸に悩まされていませんか? 動悸は多くの人に起こりうる身近な不快症状ですが、中には放置できない病気のサインが隠れていることもあります。動悸の原因・危険サイン・検査・受診タイミングを理解して、自分に合った対処を知っておきましょう。
動悸とは?
動悸とは、通常は無意識である心臓の拍動を、自分で「速く」「強く」「乱れて」感じて不快とする状態を指します。感じ方には個人差があり、例えば以下のような表現がよく使われます。
動悸が起こるタイミング、持続時間、随伴症状などを組み合わせて、その背後にある原因を探ります。
- ● 心臓が「ドキドキ」「バクバク」と速く打つ
- ● 脈が「飛ぶ」「抜ける」「一瞬止まる」ような感覚
- ● 脈のリズムが「ぐちゃぐちゃ」「不規則」になる
- ● 「ドクン」「ズキッ」と大きく突き上げるような拍動
動悸が起こるタイミング、持続時間、随伴症状などを組み合わせて、その背後にある原因を探ります。
主な原因
動悸を引き起こす要因は多岐にわたり、以下のように「心配の少ないもの」と「注意が必要な病気」があります。
日常生活の反応として起こることが多いタイプです。通常、原因がなくなれば自然におさまります。
安静時にも続く、頻繁に繰り返す、突然起こり突然止まる、日常生活に支障を来す場合は、以下のような疾患を考える必要があります。
心臓起源のもの
心臓以外の要因
1. 比較的心配の少ない生理的動悸
日常生活の反応として起こることが多いタイプです。通常、原因がなくなれば自然におさまります。
- ● 運動後・入浴・温度変化などの身体的負荷
- ● アルコール、カフェイン、喫煙などの刺激物
- ● 緊張・不安・ストレス・興奮状態
- ● 睡眠不足・過労・発熱・ホルモン変動(妊娠、更年期など)
2. 病的な要因を伴う動悸
安静時にも続く、頻繁に繰り返す、突然起こり突然止まる、日常生活に支障を来す場合は、以下のような疾患を考える必要があります。
心臓起源のもの
- ● 不整脈:心房細動、発作性上室性頻拍、期外収縮、徐脈性不整脈など
- ● 虚血性心疾患:狭心症や心筋梗塞。動悸とともに胸痛や圧迫感を伴うことあり
- ● 心不全:心ポンプ機能が低下し、身体が血流不足を補おうとして動悸を感じやすくなる
- ● 弁膜症:心臓の弁の異常により血流に負荷がかかる
心臓以外の要因
- ● 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
- ● 貧血:血液の酸素運搬力が落ち、心臓が補おうとして拍動が増す
- ● 低血糖:血糖が下がったときの交感神経反応
- ● 不安障害・パニック障害:強い不安・過換気を伴って動悸発作が起こる
- ● 薬剤副作用:一部の気管支拡張薬、降圧薬、甲状腺薬、風邪薬など
要注意の動悸 ― すぐ受診すべきサイン
以下のような状況・症状があれば、重篤な原因が隠れている恐れがあります。早めに医療機関を受診してください(緊急が疑われる場合は救急対応を考慮)。
これらは、不整脈、心筋虚血、心不全など重大な心血管疾患のサインである可能性があります。
- ● 動悸に加えて 胸痛(圧迫感・締め付け感) がある
- ● 息切れ・呼吸困難 を伴う
- ● 動悸が 10分以上持続する
- ● めまい・ふらつき・失神(意識を失いかけた) を感じた
- ● 脈拍が非常に速い・不規則
- ● 動悸発作が頻発する、日常生活に支障を来す
これらは、不整脈、心筋虚血、心不全など重大な心血管疾患のサインである可能性があります。
医療機関で行う検査
動悸の原因を明らかにするために、次のような検査が行われます。
- ● 心電図(ECG/EKG):不整脈、虚血性変化を調べる基本検査
- ● ホルター心電図(長時間心電図):日常生活中の脈の変動を記録
- ● 負荷心電図・運動負荷テスト:運動時の心臓の反応を検証
- ● 血液検査:甲状腺ホルモン、電解質、貧血、腎機能、心臓への負荷など
- ● 胸部レントゲン・胸部CT:心臓・肺の形態評価、肺疾患の除外
- ● その他精査(必要なら):不整脈の電気生理学的検査(カテーテル検査)、心臓MRI、心臓核医学検査など
医療機関での対応・治療方針
当クリニック(または受診先)では、動悸を訴える患者さんに対し、まず丁寧な問診により症状・誘因・既往歴を把握します。その上で、必要な検査を迅速に実施し、結果に基づいて次のような対応を取ります:
「ただ動悸がするだけ」と自己判断せず、持続する・不安がある・頻繁に起こる場合は早めにご相談ください。
- ● 生活習慣改善(カフェイン制限、禁煙、睡眠・ストレス管理など)
- ● 薬物療法(抗不整脈薬、β遮断薬、抗血栓薬、甲状腺薬など)
- ● 不整脈に対するカテーテル治療、ペースメーカー導入など(重症例)
- ● 原因疾患(例:甲状腺、貧血など)への治療
- ● 必要に応じて大学病院、総合病院への紹介
「ただ動悸がするだけ」と自己判断せず、持続する・不安がある・頻繁に起こる場合は早めにご相談ください。