診療案内脂質異常症

「健康診断でコレステロールが高いって言われたけど、特に症状ないから大丈夫かな…」

そう思っていませんか？脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま進行し、放置すると動脈硬化を加速させ、
将来的に心臓病や脳卒中といった深刻な病気を引き起こす「隠れたリスク」です。

当院では、皆さまに安心して健康な毎日を送っていただくため、脂質異常症の早期発見・早期治療に力を入れています。

あなたのコレステロール値、ご存知ですか？

まずは、ご自身の脂質の値を知ることが大切です。

健康診断の結果で、以下の項目に心当たりはありませんか？

● LDLコレステロール（悪玉コレステロール）が高い
● HDLコレステロール（善玉コレステロール）が低い
● 中性脂肪が高い

具体的な基準値は、健康診断の項目や医療機関によって多少異なりますが、一般的には以下の値が目安とされます。

● LDLコレステロール：140mg/dL以上
● HDLコレステロール：40mg/dL未満
● 中性脂肪：150mg/

「健康診断で指摘されたけど、そのままにしている」「食生活が乱れている気がする」…心当たりのある方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。

なぜ脂質異常症は怖いのでしょう？

血液中の脂質（コレステロールや中性脂肪）のバランスが崩れた状態が脂質異常症です。特にLDLコレステロールや中性脂肪が高い状態が続くと、余分な脂質が血管の壁にたまり、血管が硬くなったり、内腔が狭くなったりします（動脈硬化）。

動脈硬化は、まるで水道管の中に錆がたまるように、血管の機能を低下させます。この状態が放置されると、以下のような深刻な病気を引き起こす可能性があります。

●狭心症・心筋梗塞（心臓病）：心臓に血液を送る冠動脈が狭くなったり詰まったりして、胸の痛みや圧迫感、息切れなどを引き起こし、命に関わることもあります。
● 脳梗塞（脳卒中）：脳に血液を送る血管が詰まり、手足の麻痺や言語障害、意識障害などを引き起こします。
●閉塞性動脈硬化症：足の血管が詰まり、歩行時の痛みやしびれ、ひどい場合には足の壊疽（えそ）に至ることもあります。

自覚症状がないからといって放置せず、早期からの対策が重要です。

脂質異常症の原因は？

脂質異常症の原因は様々ですが、大きく分けて以下の2つが考えられます。

1. 原発性脂質異常症（原因が特定できない脂質異常症）：遺伝的な体質に加え、以下のような生活習慣が深く関わっています。
- ○ 脂質の多い食事（肉の脂身、揚げ物、バターなど）
- ○ 糖質の多い食事（菓子類、清涼飲料水など）
- ○ 過度の飲酒
- ○ 運動不足
- ○ 肥満
- ○ 喫煙
2. 二次性脂質異常症（他の病気や薬剤が原因で起こる脂質異常症）：甲状腺機能低下症や糖尿病、腎臓病などの病気、あるいは特定の薬剤の副作用によって引き起こされることがあります。この場合は、原因となっている病気の治療や薬剤の見直しで脂質が改善することがあります。

当院の脂質異常症治療について

当院では、患者様お一人おひとりの生活習慣や体の状態に合わせた、きめ細やかな脂質異常症治療を行っています。

1. 丁寧な問診と検査：まずは、現在の食生活や生活習慣、既往歴を詳しくお伺いし、血液検査でコレステロールや中性脂肪の値、血糖値などを確認します。必要に応じて、動脈硬化の進行度を評価するための検査（血管年齢測定など）も行い、将来のリスクを総合的に評価します。
2. 生活習慣の改善サポート：薬だけに頼るのではなく、まずは生活習慣の改善を第一に考えます。
- ○ 食事指導：脂質や糖質の摂取量を減らし、食物繊維を増やす食事について、具体的にアドバイスします。調理法や食材選びのコツもご提案します。
- ○ 運動指導：無理なく続けられる有酸素運動（ウォーキングなど）を中心に、具体的な運動習慣をご提案します。
- ○ 禁煙・節酒サポート：禁煙や節酒に関するアドバイスも行います。当院では、食事指導を提供することも可能です。
3. 適切な薬物治療：生活習慣の改善だけでは脂質の値が十分に下がらない場合や、すでに動脈硬化が進んでいる場合、他の病気（糖尿病、高血圧など）をお持ちの場合には、患者様の状態に合わせた適切な薬（スタチンなど）を処方します。薬の種類や量、飲み方について、丁寧にご説明し、疑問や不安がないようサポートいたします。
4. 定期的な経過観察と合併症のチェック：治療開始後も定期的に来院いただき、脂質の値の推移や自覚症状の変化を確認し、薬の調整や生活習慣のアドバイスを継続します。また、動脈硬化の進行度や他の合併症（糖尿病、高血圧など）のチェックも定期的に行い、早期発見・早期治療に努めます。

脂質異常症は、あなたとご家族の未来を守るために、今からできることがあります。