症例について 糖尿病

「健康診断で血糖値が高いって言われたけど、喉が渇くくらいで特に困ってないし…」

そう思っていませんか?糖尿病は、自覚症状がほとんどないまま進行し、放置すると全身の血管や神経を傷つけ、
やがて心臓病、脳卒中、失明、腎不全など、様々な合併症を引き起こす「万病のもと」とも呼ばれる病気です。

当院では、皆さまに安心して健康な毎日を送っていただくため、糖尿病の早期発見・早期治療に力を入れています。

あなたの血糖値、ご存知ですか?

まずは、ご自身の血糖値を知ることが大切です。

健康診断の結果で、以下の項目に心当たりはありませんか?
  • ● 血糖値が高い
  • ● HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が高い

具体的な基準値は、健康診断の項目や医療機関によって多少異なりますが、一般的には以下の値が目安とされます。
  • ● 空腹時血糖値:126mg/dL以上
  • ● HbA1c:6.5%以上

「健康診断で指摘されたけど、そのままにしている」「最近、疲れやすい、喉が渇く、トイレが近い気がする」…心当たりのある方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。

なぜ糖尿病は怖いのでしょう?

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が異常に高い状態が続く病気です。血液中の糖分が多いと、全身の血管や神経が少しずつダメージを受けてしまいます。この状態が長く続くと、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病の三大合併症は、特に細い血管が傷つくことで起こります。
  • ● 糖尿病性網膜症(失明のリスク): 目の奥にある網膜の血管が傷つき、視力低下が進み、最悪の場合失明に至ることもあります。
  • ● 糖尿病性腎症(腎不全のリスク): 腎臓の働きが悪くなり、老廃物を体の外に出せなくなります。進行すると人工透析が必要になることもあります。
  • ● 糖尿病性神経障害(手足のしびれや痛み、自律神経の不調):全身の神経が傷つき、手足のしびれや痛み、感覚の麻痺が起こったり、便秘や下痢、立ちくらみなどの自律神経の不調が現れることがあります。

また、糖尿病は、全身の太い血管も傷つけるため、以下のような深刻な病気のリスクも高めます。
  • ● 心臓病(狭心症、心筋梗塞): 心臓に血液を送る血管が動脈硬化で狭くなったり詰まったりします。
  • ● 脳卒中(脳梗塞、脳出血): 脳の血管が動脈硬化で詰まったり破れたりします。
  • ● 足の病気(閉塞性動脈硬化症、糖尿病性足病変): 足の血管が詰まったり、神経障害で傷に気づきにくくなり、感染症を起こしやすくなります。ひどい場合には、足の切断が必要になることもあります。

自覚症状がないからといって放置せず、早期からの対策が極めて重要です。

糖尿病の原因は?

糖尿病は、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
  • 1. 1型糖尿病: 自己免疫によってインスリン(血糖値を下げるホルモン)を作る膵臓の細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。比較的若い方に多く発症します。

  • 2. 2型糖尿病: インスリンの分泌量が不足したり、インスリンがうまく作用しなくなったりすることで起こる糖尿病です。日本人の糖尿病の約9割を占め、遺伝的な要因に加え、以下のような生活習慣が深く関わっています。
    • ○ 食べすぎ、飲みすぎ
    • ○ 運動不足
    • ○ 肥満
    • ○ ストレス
    • ○ 喫煙

当院の糖尿病治療について

当院では、患者様お一人おひとりの病状や生活習慣に合わせた、きめ細やかな糖尿病治療を行っています。
  • 1. 丁寧な問診と検査: まずは、現在の自覚症状、生活習慣、ご家族の病歴を詳しくお伺いし、血糖値、HbA1c、尿検査、腎機能検査、眼底検査(他院)など、糖尿病の診断と合併症の評価に必要な検査を総合的に行います。必要に応じて、インスリン抵抗性や分泌能を評価する検査も行います。

  • 2. 生活習慣の改善サポート: 糖尿病治療の基本は、食事療法と運動療法です。薬だけに頼るのではなく、まずは生活習慣の改善を第一に考えます。
    • 食事指導: 適切な摂取カロリー、糖質制限、バランスの取れた食事について、具体的にアドバイスします。血糖値が上がりにくい食べ方や、外食時のポイントなどもご提案します。
    • 運動指導: 無理なく続けられる有酸素運動(ウォーキングなど)を中心に、具体的な運動習慣をご提案します。
    • 体重管理: 肥満がある方には、適正体重を目指すためのサポートを行います。
    • 禁煙・節酒サポート: 禁煙や節酒に関するアドバイスも行います。 当院では、管理栄養士と連携し、より専門的で継続的な食事指導を提供することも可能です。
  • 3. 適切な薬物治療: 生活習慣の改善だけでは血糖値が十分にコントロールできない場合や、病状が進行している場合には、患者様の病型や状態に合わせた適切な薬を処方します。薬の種類や量、飲み方について、丁寧にご説明し、疑問や不安がないようサポートいたします。

  • 4. 定期的な経過観察と合併症のチェック: 治療開始後も定期的に来院いただき、血糖値やHbA1cの推移、自覚症状の変化を確認し、薬の調整や生活習慣のアドバイスを継続します。また、腎機能、眼底、神経、心臓、血管の状態など、糖尿病合併症のチェックも定期的に行い、早期発見・早期治療に努めます。他の医療機関(眼科、神経内科など)との連携も密に行い、専門的な治療が必要な場合はご紹介いたします。

糖尿病は、あなたとご家族の未来を守るために、今からできることがあります。

「症状がないから大丈夫」と放置してしまうと、取り返しのつかない合併症を引き起こし、生活の質が著しく低下することもあります。

当院では、患者様のお話をじっくり伺い、分かりやすい言葉で丁寧に説明することを心がけています。糖尿病に関する不安や疑問、どのような些細なことでも、お気軽にご相談ください。

早期発見・早期治療で、糖尿病の進行を防ぎ、合併症を予防し、健康で充実した毎日を送りましょう。

青栁クリニック は、皆さまの健康をトータルでサポートいたします。