2026/09/22(火) 私たちの健康を支える「血管」の健康~動脈硬化~

こんにちは、青栁クリニックです。今日から、私たちの健康を支える「血管」の健康、特に動脈硬化を予防するための連載ブログを始めます。

1回目は総論として、そもそも動脈硬化とは何か、そして日本動脈硬化学会のガイドラインが定める「注意すべき具体的な数値」の概略をご紹介します。


この記事のポイント

・動脈硬化は、自覚症状がほとんどないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中などにつながることがあります

LDLコレステロールなどの脂質異常は、動脈硬化を進める重要なリスク因子です

・高血圧や血糖値の異常、慢性腎臓病(CKD)なども動脈硬化と深く関係しています

・喫煙や食塩の過剰摂取、運動不足など、日々の生活習慣も動脈硬化に影響します

・健診結果の血圧・コレステロール・HbA1cなどの数値を確認し、自身のリスクを把握することが大切です

・動脈硬化の予防には、一つの数値だけでなく、複数のリスク因子を総合的に管理していくことが重要です

 

動脈硬化とは?「血管の老化と錆び」が進む状態

動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールがたまったり、慢性的な炎症が生じたりすることで血管が厚く硬くなり、血液の流れが悪くなる状態です。これは「血管の錆び」のようなもので、実は小児期から徐々に進行しています。最大の問題は、自覚症状がほとんどないまま進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる事態を引き起こす点にあります。

では、どのような数値に気をつければよいのでしょうか?ご自身の検診結果などと照らし合わせてみてください。

動脈硬化を防ぐための「危険信号」数値リスト

以下のカテゴリーは、動脈硬化を進める主要な危険因子です。まずはこの「数値」を意識することから始めましょう。※動脈硬化を来すその他の病気がないことを前提に数値を示します。

脂質異常

注意したい数値:140/40/150

悪玉(LDL)コレステロール140mg/dL以上

善玉(HDL)コレステロール40mg/dL未満

中性脂肪(TG150mg/dL以上(空腹時)

が診断の目安です。これらがあると、将来の心血管疾患リスクは跳ね上がります。

喫煙

たった「1本」でも赤信号

11本の喫煙でも、非喫煙者に比べて冠動脈疾患のリスクは男性で1.74倍、女性で2.19倍に高まります。受動喫煙も同様に、心臓や脳の病気を引き起こす大きなリスクとなります。

高血圧

注意したい数値:140/90 135/85

診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上が高血圧の基準です。正常血圧(120/80未満)を超えて血圧が高くなるほど、全心血管病のリスクは段階的に上昇します。

【重要】塩分制限:1日「6g」未満を目指す

日本人の平均的な食塩摂取量は約10gですが、動脈硬化予防のためには16g未満を目標にします。減塩を徹底することは、血圧を下げ、血管への負担を減らすための基本となります。

耐糖能異常:HbA1c6.5%(5.5%から注意) HbA1c 6.5%以上は糖尿病と診断される確率が上がります、非糖尿病でも**5.56.4**の範囲にある方は、正常な方に比べて脳心血管疾患の発症リスクが高まることが報告されています。

慢性腎臓病(CKD

注意したい数値:eGFR 60未満

腎機能の指標であるeGFR60ml/min/1.73m²未満、あるいは蛋白尿がある状態です。腎障害がある方の心血管疾患リスクは高いというデータがあります。

加齢:女性は「70歳」から急増

加齢は最大の危険因子であり、絶対リスクから見ると他のどの因子よりも強く影響します。特に女性は閉経後からリスクが上昇し、70歳以降は心筋梗塞や脳卒中の死亡率が顕著に増加します。

家族歴:55歳と 65

ご家族(親・兄弟姉妹)に、男性55歳未満・女性65歳未満で冠動脈疾患を発症した方がいる場合は注意が必要です。遺伝的・環境的要因により、ご自身の発症リスクも高まるとされています。

⑧ NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、NASH(非アルコール性脂肪肝炎):心臓血管疾患リスク 2.05

お酒を原因としない脂肪肝(NAFLD)の方は、そうでない方に比べて心血管疾患(CVD)を発症する確率が2.05高いという分析結果があります。肝臓のケアは、そのまま血管のケアにつながります。

その他:25g 30

お酒(エタノール)は125g以下(日本酒1合程度)に抑え、休肝日を設けましょう。運動は1日合計30分以上の有酸素運動を習慣にすることで、血管の錆びつきを抑えることができます。


いかがでしたか?「自分はこの数値が少し高いな」と気付くことが、予防の第一歩です。 次回からのブログでは、これらのカテゴリーを一つずつ深掘りし、より詳細な対策や日常生活での工夫についてお話ししていきます。

 

気になる数値があった方は、ぜひお気軽に青栁クリニックまでご相談ください。一緒に健康な血管を守っていきましょう。


記事監修

青栁クリニック 院長 青栁秀史

 

日本循環器学会 循環器専門医
日本内科学会 認定総合内科専門医
日本不整脈心電学会 不整脈専門医

 

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